羽沢保育園
  • HOME
  • 求人情報
  • 公開情報
更新履歴
ホーム  >  更新履歴  >  《カブトムシの角》平成二十六年七月一日

《カブトムシの角》平成二十六年七月一日

更新日:2020/02/15

副題「仲間内では強いが天敵に狙われる」
4月7日の朝日小学生新聞に「カブトムシの角、大きいのは有利不利?」という一面記事が載っていました。次に内容の概要を紹介します。
『カブトムシのオスにとって、角は大きいのと小さいのとどちらがいい?これはどちらともいえない、難しい問題だということが東京大学の研究で分かりました。けんかに有利な大きい角は、カブトムシの天敵のタヌキやカラスにとって、格好の目印かもしれないのです。
研究者の小島さんによると、虫たちが集まるクヌギやコナラの木の周りには、何者かに食べられたカブトムシの死体が落ちていることがあります。その犯人は、主にタヌキだそうです。また、そして、その食べられたカブトムシの死体を見ていると、メスよりもオスのほうが圧倒的に多く、オスの角が大きいことに気付きました。
そこで、罠でとらえた約250匹と、食べられた死体約250匹を比べました。両者のオスの角の長さを比べてみると、罠でとらえた方の平均は20.8ミリ、死体の角の平均は23.9ミリ。当初の直感通り、タヌキたちに食べられた死体の方が、角が大きい事が分かりました。
小島さんは、「なぜ食べられた死体の方が、角が大きいのか」について、次のように推測しています。いくつか理由が考えられるが、「単純に大きさが目立つ」という理由が、一番有力だそうです。主な犯人であるタヌキは目が悪く、或る程度の大きさがないと見過ごしてしまうことが、仕掛けたカメラの映像から分かりました。
また、ほかの理由として、角が大きいためにオス同士の争いに勝ち、樹液のそばに長くいる、メスを探してうろうろしている、といった「行動が目立つ」という理由が考えられるそうです。
「角が大きいと、けんかやメスの奪い合いで圧倒的に有利なため、角が小さいカブトムシは生き残るのは難しいはず。でも今回の結果で、小さいのも悪い事ばかりじゃないと分かりました。」と、小島さんは言っています。』
人間の世界でも、オスは身長が大きい事は良いこととされています。端的にいうとモテます。私は身長が低いので、小さい頃から体の大きさには常にコンプレックスを持っています。もう少し身長が高ければ人生が違っていたのではないか、と今でも思います。同じような思いを持つ人は多いと思います。この甲虫の記事を読んで思うのは、なるほど「大きい事は良い事だ」というほど世界は甘くないものだなと言うことです。自分自身を顧みても、自分のコンプレックスを跳ね返すためにいやいやながら勉強をし、仕事をしてきたような気がします。背が高かったら、良かったかどうかは分かりません。逆に、小さいために目立たず、罪を見逃されてきたこともあるのかもしれません。
「仏の智慧は全てを見通し、人間の知恵は物事の一部しか見ていない」、と経典は言います。今回も大きな角を持つ甲虫の苦労も知らずにいた自分の不明に気付かされました。大きいがゆえに狸に食べられた甲虫に、大変申し訳ない事をしました。人間も甲虫も、見掛け上の善し悪しだけでは分からない苦労があるものだ、と考えさせられました。*甲虫=カブトムシ

*日付は、文章を作成した日付となっています。

*その後の私のコメントが付いているものもあります。



ページの上に戻る