成道会(じょうどうえ)
12月8日は「成道会」です。「成道会」とは、2500年前の北インドにおいて、「ゴウダマシッタールダ」という個人が悟りを開き、「お釈迦様」になった日です。
つまり、仏教が始まった日と言えます。だから、仏教では「成道会」を特別な日としています。
と言っても、それが何?というのが普通の受け止め方でしょう。ですので、ごく簡単に説明しますと、
成道会は「ただの人間が、仏教の教えに目覚めてお釈迦様という公的な存在になった日」とお考えください。
別に、この日を境にすごく偉くなったということではなくて、仏教を最初に語ったと言う意味において公的な存在になったと捉えればよいと思います。
ですから、お釈迦様は肉体的に特別な人間でもないですし、生活そのものは普通だったはずです。寿命がくれば亡くなりましたし、ご飯も食べたでしょう。
一部の偏った考えでは、「悟りを開くと超人になる」というような捉え方もあるようですが、私は違うと思っています。
お釈迦様も、お腹が減ればご飯も食べたでしょうし、生理現象も普通にあったはずです。人間ですから。
では、その悟りの内容は何かというと、これもごく簡単に言うと、「私は縁によって成り立っている」というシンプルなものです。
逆に、シンプルすぎて分かりにくいかもしれません。要するに、
「私は縁によって成り立っている」→「私は多くの縁に支えられなければ生きられない」→「私が生きているということはそれだけで尊いことである」
ということだと思います。
実際には、「私はただ生きている」というだけでは満足できません。
もっとお金が、もっと地位が、もっと名誉が、と常に求めています。
しかし一方で、そのほとんどがかないません。また、仮にひとつがかなったとしても、さらに上を目指すのが私です。
ですから、私はいつも不平不満や愚痴がマグマのようにたまった状態です。
そんな私にお釈迦様は、「真実は、生きているということだけで尊い、だから世の中は感謝にあふれているよ」と話されたいのだと思います。
マグマの噴火は災害を起こしますが、感謝の心は人を幸せにします。私もいつか、お釈迦様の言葉に本当にうなづけたらと願っています。
社会福祉法人徳風会 理事長 稲垣
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